シリコンとは?
シリコンって言葉は知っているけど。どんなものか詳しく知らない。そんな疑問についてお応えします。シリコン素材の優れた特性をご説明します。

- シャンプーやリンス、最近では女性のヌーブラなんかが話題になっていますがシリコンてどんなものかよく解らないのですが。
- 現代社会の中ではあらゆる産業分野で製品として使用されているとっても優れた素材なのです。身近なものでは皆さんが日常生活で毎日使っているシャンプー、リンス、化粧品などのコート剤。シューズの衝撃吸収剤、医療用点滴のチューブ、電機製品のパッキン、哺乳瓶の乳首…スペースシャトルの宇宙服のインナー素材にも使われています。オイル、コート剤、ゴム、固形状のレジンなどみんな同じシリコンです。「小さな同じ単位の分子」の結合の仕方が違うだけです。
- 分子の結合の違いでオイル、コート剤、ゴム、固形状のレジンになってしまうのはとっても不思議ですが、もっと詳しく説明してください。
- 高分子は「小さな同じ単位」が繰り返して連結している構造ですが、連結の方法が違うと色々な形になります。基本となる「小さな単位」が同じなので性質は基本的に変わらず同じなのです。
- ところでシリコンって何からできているんですか?
- シリコンは、半導体チップに使われているシリコンと同じく、自然界のケイ石(SiO2)が原料です。ケイ石からできるシリコンはケイ素(Si)と酸素(O)からできているシロキサン結合(─Si─O─Si─)の骨格シリコンを見ると一見有機物に見えますが、その内側には無機質の骨格があるのです。とても単純な構造ですが「無機と有機、両面を備えた構造」が他の素材にないシリコンの優れた性質の基になっています。
シリコンゴムの耐熱性は?
摂氏200℃まで耐えられる優れた特性。
現代社会であらゆる産業で注目され使用されている素材シリコンゴム。どのぐらいの高温に耐えられるのか、他のゴム素材と比較して「耐熱性」も優れた特性のひとつです。

- シリコンゴムの耐熱性とはいったいどういうことなんですか?
- シリコンゴムは一般のゴムと比較して熱に安定しています。200°Cの高温に長時間置かれてもシリコンポリマー構成する原子連結構造が変わらないので、素材の性質も全く変わりません。変形、劣化せず、熱にとっても強い素材なのです。
- なぜシリコンゴムが熱に強いのですか?
- シリコンのを形成する骨格は、ケイ素(Si)と酸素(O)の連続した連結です。ケイ素と酸素はお互いに強く引き合う性質があります。 従って熱が加わってシリコンポリマー構成分子や原子の運動量が増加してもとっても切れにくい性質があります。
- シリコンゴムの限界温度はどのぐらいなんですか。
- 天ぷら油は150℃〜180℃で1000の分子の中の100の分子が切れてしまいます。
シリコンオイルは同じ高温下で1000の分子の内わずか1分子だけが切れるだけです。分子が切れ始める温度は、普通のポリマーで100℃前後、シリコンゴムなら約200℃までOKです。
例外として300℃、真空下では400℃といったこともあります。限界温度は現在このようなところです。ご家庭で熱いヤカンを乗せても変形や、溶け出したりしない、生活上でも大いに活躍する優れた素材です。 - シリコンゴムの限界温度に達するとどうなるんですか?
- シリコンゴムも限界温度を超えると、分子や原子の運動に耐えられなくなり、結合が切れてしまいます。そして、空気中かそれ以外下によっても挙動が変化してきます。空気中の場合はシリコンポリマーは酸素を媒介に結合し粘度を増幅していきます(ゲル化)。
また真空下ではシリコンポリマーはリング状の低分子になり、徐々に粘度が低下し、最終的に消滅します(分解)。限界温度を超えるとシリコンゴムそのものの品質保証ができなくなります。
シリコンゴムの耐寒性は?
-100℃でも耐えられ、固くならない優れた素材。
シリコンゴムはどのぐらいの低温に耐えられるのか、一般のゴムと比較して熱にも強く、低温にも強い。「耐寒性」も優れた特性のひとつです。

- シリコンゴムは、低温ではどうなるんですか?
- シリコンゴムは一般のゴムと比較して低温でも抜群の性能があります。他の有機物質で耐えられないような低温の状況下でも、本来の性質を維持できます。シリコンオイルやシリコンゴムの素材でも同様です。どうして低温で固くならないのか?それはシリコンの基本構造、原子の配列によるものです。シリコンの分子構造が螺旋状で、骨格となる主鎖はケイ素原子と酸素原子が強固に結合していますが、原子と原子の間隔が長く結合角度も大きいため、原子同士が動きやすい構造になっています。だから硬くならないのです。
- シリコンゴムの限界温度は何度ですか?
- 一般的に-40℃〜-55℃です。-100℃までのシリコンゴムも製造可能です。-70℃位の素材は有機系でも製造可能ですが、シリコンゴムの持つ耐熱性、耐寒性の両面の特性は困難です。
また製造にあったってはコストがかかります。低温、高温の耐久性を両立さる素材はシリコンが優れた素材です。 - -100℃で耐えられる製品はどんなものがあるのですか?
- ドライアイスは-78℃。ドライアイス専用の冷蔵庫のドアのパッキンにはシリコンゴムは最適です。一般の有機系ゴムは-30℃〜-40℃で硬くなってしまい、隙間ができて役に立ちません。また隣に高温になるモーターなどがあると、耐寒性と耐熱性の両立が必要不可欠です。シリコンゴムはこうした分野でその素材の性能を発揮します。
代表的な例として自動車があります。エンジンの周辺の部材は高熱、寒冷地での使用に耐えられなければなりません。シリコンゴムはそのメインの素材のひとつとして活躍しています。
シリコンゴムの電気特性は?

- シリコンゴム素材はどんな電気特性に優れているのですか?
- 代表的な性質は絶縁性です。電気を通しにくい素材です。しかし絶縁性が高い素材でも電圧を上げていくと最後には電気が流れてしまいます。この絶縁機能が失われる最の瞬間の電圧を「絶縁破壊電圧」といいます。シリコンはこの絶縁破壊電圧が高い素材です。
また電圧をかけたとき分子内に誘起される+電荷と-電荷の偏りを分極といい、その大小を「誘電率」といいます。シリコンゴムはこの「誘電率」が低い性質があります。
また電気特性のひとつとして「誘電正接」という性質があります。これは物質を交流電解の中に置いた場合、電解の変化に従って激しく向きを変える部分があると、分子レベルで摩擦抵抗が発生し発熱がおきます。「誘電正接」とはこの大小のことです。シリコンゴムはこの「誘電正接」が小さいことで電気特性に優れた性能があります。 - シリコンゴムは電気に強い、熱に強い万能の素材ですか?
- シリコンゴムは電気特性が全般的に優れていますが、絶縁体の中では完璧に優れている素材ではありません。しかし多岐にわたる産業界で注目される素材である理由は、絶縁体の基本性能を備えていること以外に、耐熱性に優れ、高温になっても電気特性が変わらないことが素材として活躍の場があるということです。
また絶縁性の応用として、耐コロナ性(火花放電や発光による電離を防ぐ能力)にも優れ、モーターからLSIまでもの広範囲な製品の高い信頼性を支える素材のひとつなのです。
体・環境に対する影響は?

- 環境問題、アレルギー等に対する問題が多く取り上げられていますが、シリコンはどうですか?
- シリコンには問題となっている鉛、水銀、カドミウム、六価クロム等の有害化学物質は含まれていません。また焼却処分をしてもダイオキシン等の有害物質も発生しません。
たんぱく質を含んでいませんから、たんぱくアレルギーを起こしません。直接肌に触れるゴム製品にも多く使われている、環境や体にもやさしい素材です。